「これ、どうやって終了するの?」
甥っ子が新しく買ったPCにWindows8がバンドルされてて、起動した直後の第一声。まさかそんなわけないでしょと思いながらマウスを借りて前後左右に動かしたんだけど、これが本当にわからない。なにやら四角いブロックが不規則に並んでいて、PC歴ン十年の僕にもまるで挙動が予測できない。
すぐにわかった。これはダメだ。ダメOSだ。
直感的な操作とはお世辞にも言い難い、ユーザーフレンドリとは対極のUIデザイン。殊更に未来志向をアピールしてくるけれど、まるで「ぼくがかんがえたみらいのせかい」に登場するチューブの中を疾走する車のような恥ずかしさ。
フラットデザインは本当に必要?
フラットデザインが目指すところが理解できないでもない。いずれボタンを押すという行為は必要なくなって、触れる・手をかざすだけですべて事足りる世界になるのだろう。過剰な装飾を極力排除して機能美をこそ追求するという姿勢は間違ってはいないと思う。
今年絶対おさえておきたいフラットデザインのまとめ | 株式会社LIG
り明確な定義がないので、「ちょっと違う」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 …
フラットデザインに関するとてもわかりやすいまとめ。
でも、開発者やデザイナー風情が驕ってはいけない。未来はきっとこうなるだろうから我々の提示するものに従えという独善的なやり方では市場も消費者もついてこない。四角いマスばかりではどれが押せるかわからない、僕が最初に抱いた感想はただそれだけだ。Webを生業にしてる僕でさえそうなのだから市井の反応は推して知るべし。慣れの問題だって?コマンドラインからGUIへ移行した時に慣れを必要とした人がいただろうか?
想像してみて欲しい。終了ボタンの場所がわからなくて悪態を吐く程度ならまだいいけれど、これがライフラインに関わる何かだったらと思うとゾッとする。たとえば一人暮らしの老人が心筋梗塞か何かで倒れたとき、救急ボタンを押せるとしたらフラットデザインとリッチデザインのどちらが助かる確率が高いだろうか? 何が便利で役に立つかはユーザー目線で語られるべきであって、そこからしかマーケットは生まれないのだ。
正直言うとレスポンシブはフラットのほうが断然やりやすいけど、それはあくまで制作側の都合。なので僕個人としては一過性の流行りに流されず、リッチデザインとの融合を図っていきたいと思う。みんなが従ってるから自分も従うっていうノンポリがデザイナーを名乗っていい筈がないので。