我が家には1~2年に1回ぐらいの頻度で”パンブーム”が訪れます。なんとなく毎朝パンが食べたくなって、それなら自前で焼いたほうが旨くね?みたいな。
初めてブーム到来したときにAmazonで購入したのが象印のホームベーカリーで、とても美味しく焼ける優秀な奴です。でも、その活躍が霞んでしまうぐらい僕に衝撃を与えたのが、ホームベーカリーと”よく一緒に購入されている商品”として紹介されていたパンスライサー(パン切りナイフ)でした。
「こんなもん要るの?包丁で十分やろ。…でもみんな一緒に買ってるってことは何か違うんかな…」。
ついでだし安いし、要らんかったら要らんかったでまぁいいかと思い買ってみたら、これがまぁ切れること切れること。鋸みたいなギザギザが柔らかいパンに吸い込まれていって、あまり凹まさずに切れるんです。試しに普通の包丁で試したら吃驚するぐらい切れなくて、Amazonさん疑ってスマンかったと心からお詫びした次第。
他にもこんなレコメンドサービスが
もうお分かりでしょうが、ポイントは”よく一緒に購入されている商品”です。ユーザーの動向を分析しておすすめ商品に反映させる仕組みは「レコメンド・システム」と呼ばれ、その精度の高さがAmazonの現在の地位を確立させた要因のひとつなのは間違いありません。
『あまり欲しいわけじゃなかったけど、Amazonが勧める商品買ったらめっちゃ良かった!』とか、おすすめされた商品のラインナップを見て『なんで俺の趣味がバレてんの?』と驚愕した経験ありませんか? そうしたユーザーエクスピアリアンスでAmazon自体への信頼感を醸成してしまえば、後は抱き合わせによる割引だの何だのと出店者の頑張りどころなわけです。すぐに高額なバナー出稿をすすめてくるどこかのイーグルスとはえらい違いですよね。
Pandora Internet Radio – Listen to Free Music You’ll Love
ネットサーフィン中によくよく注意して見れば、後追い以外にも似たようなサービスが無数にあることに気付くはず。たとえば海外のインターネットラジオ【PANDORA】は聴けば聴くほど”成長”する面白い仕組みです。
好きなアーティスト名を入力するとオススメの楽曲が次々に流れてくるので、気が向いたら曲毎に「いいね」するだけ。暫く経つと自分の好き系ばかり流れてくるどころか、まだ聴いたことのないツボる楽曲がビシバシ鼓膜を刺激してくれるようになります。
何でも勧めればいいってもんじゃないのはリアルも同じ
ブティックを例に出すと、「何をお探しですか?」とか聞いてくる時点でアウツ。とくに目的も無く入ってきたシャイな人を困らせる暇があったら、目一杯服の知識を詰め込んだまま空気になっとけって思いますね。いざアドバイス請われた時に頼りになるほうが断然印象が良いです。
さらに「お客様とってもお似合いですよ~」とか心にもないことを上から目線で言われてムカッ腹が立ったこと、誰でも一度はあると思います。嘘じゃないなら嘘じゃないで、店員は何かしらエビデンス(証拠)を提示しないと説得力のカケラも無いわけです。やれスタイルが良いとかやれ今年の流行りだとか抽象的な言葉で騙される人は今後どんどん減っていくでしょうね。
エビデンスって具体的にどういうことよ? と思われた方、その答えはきっとITにあります。いかにも手前味噌な感じの〆ですが、他に芸も無いので寛大な心でお赦しくださいませ。