Nov 26, 2013

前回のエントリで「僕はクリスマスが嫌いだ」と言い切りましたが、のほほんと学生やってた頃はなーんも考えてませんでしたね。

クリスマスに彼女がいないのは恥ずかしいというフザけた風潮は、バブル期に電通の手先となった情報誌(ホットドッグプレス等)の執拗な煽りによる産物。ジーザスの降誕祭とジャップの恋愛にどんな因果関係があるのか摩訶不思議ですが、バレンタインにチョコ贈るのは日本だけというのと似たような感じでしょうか。

そんなメディア+スポンサーの思惑など露知らず、必要以上に独り身の淋しさを痛切に感じていた高2の冬

降って沸いたような吉報

ええ、例に漏れずテクノカットツーブロックMA-1でしたとも。そんでいつものように友人宅でファミスタに興じていたら、ホームベースぎりぎりのセコいカーブを多投するイケメンMがボソッと呟いたんです。

「○組のYって娘がお前のことカッコイイって言ってたぞ」


わ、わ、Yって、通学路の京福電車(現在のえちぜん鉄道)でいつも乗り合わせるあの可愛い娘? マジっすか? てかなんでこのタイミングで言うかな?

「言ったらお前が調子に乗ると思って」

いやいやいやいや、そりゃあのレベルの娘に褒められたら誰だって尻尾振って喜ぶでしょ…。教えてくれたことに感謝するべきか暫く寝かせていたことを詰るべきか迷ったけれど、とりあえずそいつからY宅の電話番号をGETしたわけです。やっぱり持つべきものはイケメンの友人ですね。

勇気を振り絞ってTEL

で、早速翌日の晩に電話しましたよ。当時は固定電話しか無かったから親が出る可能性が大だったので、「どこの馬の骨だ!娘に何の用だ!」みたいな怖い妄想に怯えながら。運良くYが直接出てくれたのでホッと胸を撫で下ろしましたが。

「えっ?N君?どうして? あ、もしかしてM君から聞いた?」


今思えばごっつ当たり前な反応なんですが、完全にテンパってた僕は少しでもカッコつけようと無意識に口から出まかせを連発してました。

「違うよ、前からしょっちゅう電車で見掛けてて可愛いと思ってたから」

見え透いた嘘って本当に最悪というか、この時点で僕のイメージは相当ダウンしたんじゃないかと思います。素直にMから聞いて嬉しかったって言えばよかっただけなのにね。

まぁそれでも何とかクリスマスイブにデートの約束を取り付けて、もう天にも昇る心持ちでした。その年の夏に失恋してたんですが、もうすっかりどうでもよくなってましたね。クリスマスを可愛い子と過ごせるというのは何物にも替え難いステータスというか、自分の中で”イケてる高校生”である何よりの証明だったんです。恋愛と言うより自分大好きって感じでした、否定はしません。

オサレなファッションビルに出掛けて、クリスマスプレゼントも買いましたよ。忘れもしないrenomaのマフラー。流行りのDCブランドとはちょっと違うぞ下にちょこっと”PARIS”って入ってるでしょ巻いてくれるといいなあムフフフ、って死ねよ当時の俺。

イヤな予感が的中

そんなこんなでドキをムネムネ(死語)させながらイブの日が来るのを待っていたら、例の友人Mから電話が。イヤな予感というか、もうほとんど予知に近かった気がします。ろくに話したことも無い娘といきなり一日一緒に過ごすなんて現実味が薄いですもん。

「あのな、Yちゃんやっぱり会えないって。受験勉強するってさ」


わかるわかる、受験は一日一日が勝負だもんね。ちょっと成績が良いからってサボってクリスマスにデートなんかしてたら足元掬われて泣きを見ることになるかもしれないし。

って、んなわけあるかこのアマ!!!

友人Mは義憤を感じたようで「いくらなんでもムカつくな。俺がガツンと言ったろうか?」と言ってくれたけれど、それはさすがにみっともないので「いきなり誘った俺にデリカシーが足りなかった、ゴメンって伝えといて」と頼みました。とてもまた誘う気なんて起こらなかったですね、あんな断られ方すると。

っていうか「受験勉強するから」って凄い理由だと思いませんか?

そして後日

大人しく引き下がりはしたものの、僕にもちょっとは意地があるわけで。

せめて君のために買ったプレゼントだけは渡したい」と言って駅前のカフェにYを呼び出しました。無駄な足掻きというか藪蛇というか…いずれにせよこの時点で僕はかなりウザい男になっていたに違いありません。まだ指一本触れていないというのに!

とりあえずオサレマフリャーを渡すには渡したけれど、その後はまさにお通夜状態。もちろんYからのプレゼントなんてナッシング。

「べ、勉強は捗った?」
「う、うん…」

もう僕に対する興味は無いけど申し訳ないから直接会ってプレゼントだけは受け取ろう、みたいな意図が全身から滲み出ていて最高に居た堪れない気持ちでした。なんだろう、この”最初から何も知らないほうが幸せだった”感は。どうしてこんな目に遭わなきゃいけないのだろうか?

「か、帰ろうか…」
「う、うん…」

無言の高校生男女(カップルではない)を乗せた京福電車は昭和30年代の阪神電車の払い下げで、まるで安いラブホテルのベッドのようにポンポン跳ねまくり。さらに途中の駅で後輩のTが乗り込んできてからはもう泣きそうでした。

「あれ?N先輩、久しぶりっすね。ひとりっすか?

Yとカップルどころか知り合いにすら見られなかったわけで。僕としてもこの状況をどう説明していいか分からず、何かムニャムニャと要領を得ない返答をしていた気がします。

悟りの境地

そして今日に至るまで殆どのクリスマスを誰かと一緒に過ごしてきましたが、まったくバカバカしくて反吐が出るアメリカ様の家畜養成イベントですね。もし僕に子供がいたら「サンタさんなんかどこにも居ないよ~だウヒャヒャヒャヒャ」って言ってやるのに。

神は死んだ。

Gott ist todt! ― Friedrich Wilhelm Nietzsche ニーチェ



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